【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 新芽 テオドロ>>-92 「どっちも」 それは軽く言うことだろうか。 まぁ、本人がそれほど気にしてない様子に見えたので、それ以上は聞かないことにする。 ――きっと、言えない事情もあるのだろうし。 なんていう事を考えてるのだから、結局身内に甘い男なのだ。 「考えたくないな……実際キミ達が居なくて僕と先輩の仕事量すごかったんだ」 それこそ、あの自分磨きが好きなリヴィオが、鏡を見る時間もないほどだったのだから、どれほど仕事がためられていったかは想像に難くないだろう。 仕事に真面目な人間というわけではないが、それでもその時のことを思うと、まだ起きることも難しい身体が少し恨めしくなってしまった。 珍しい話である。 「え”……、や。冗談のつもりで言ったんだけど。 ここでそれを頼んだら前の二の舞い……じゃなくて、後で僕がものすごく叱られることになるんだ」 ないとは思うが、ついでにキミも怒られることになるかもしれない。 事件の日の朝を思い出して、重い息をついた。 (-96) 2023/09/28(Thu) 15:08:41 |