【秘】 蒐集家 テンガン → 『巫覡』 ロベリア「……、何だ」 返事をする。きっと普段通りの声色で。 内にあるものは、きっとロベリアが先程飲まれかけた恐怖に似ている。 触れる手を振り払うことはない。 あるいは行き先のない聲を上げ続ける巫の、冷たい空虚。 掴む手も。 ほんの数日前、この男に読み取られた、"さよなら"の記憶に付随した身に覚えのある感情かもしれない。 この両腕はあなたを抱える為に使っているから、あなたの動作を邪魔することはない。 だが、そのどれもがテンガン自身には分からない。 感じないのではなくそこにあるものに気づけないが故の歪さが、この混ざり混ざった混乱をあなたに感じ取らせないかもしれない。 (-104) 2022/03/09(Wed) 0:48:56 |