![]() | 【秘】 リヴィオ → 口に金貨を ルチアーノ普段なら、男はただその夢を眺めているだけで。 繰り返し唱えられる呪詛を身に受け、縛られていく。 もう何年も、逃れることの出来ない悪夢だった。 今度はもう、戻れないのかもしれない。 このまま暗く深いどこかへ、 落ちていくんだと思った──その時。 静かに眠る、無防備な猫の姿が見えた。 別に、猫が好きな訳じゃない。…………けど。 何となく、ただ、何となく、己の指先を 恐る恐る 伸ばす。触れたその熱は、暖かくてとても──安心したんだ。 ▽ (-105) sinorit 2023/09/28(Thu) 20:13:13 |