【秘】 0043 榊 潤 → 8435 黒塚 彰人今この瞬間に様々なことが脳裏によぎった。 ここで南波や普川を呼んだら、それこそ秩序が乱れる酷い祭りが繰り広げられるのではないだろうか。 この黒塚はいい餌になり得るのではないだろうか。 だが、収集が付かないどころか、自分自身まともで居られる気がしない。 だから、口元に薬を含んで、お前に口づけた。 それは、液体だった。 口内の熱と、お前の熱とで、生ぬるく、互いの口を汚し喉元までやってくるだろう。 「――いい子で眠れ、愛しき出演者。 俺がその舞台を見下ろしてやる。お前を持ち上げて、飾ってやる」 まぶたがだんだんと落ちてくるだろうか。 襲いかかるのは眠気だ。 はらりと、眼帯をあなたの前では外して。 また酸素を奪うように口づけて。 耳と首元を一度だけ撫でれば、暗闇へと誘う。 ▼ (-111) 2021/10/04(Mon) 1:48:57 |