【独】 はくぶつがく ルヘナストレリチアを噛んだ、次の日の朝になった。 この村のことがだんだんわかってきたけど、 見つけた狼は吊るのではなく、生き残らさせるようだ。 理由はわからないけど、そういうことらしい。 私は占い師を騙り、占い結果でスルガとトーマスを 狼とすることで、だれが狼なのか狂人なのか、 村人たちを疑心暗鬼にすることに成功したようだった。 ただその結果、私は占い師のお仕事終了とのことで、 吊られることになった。 (こういう結果になったけど、 いつまでも村で囲われ続けるのも嫌だし) 私はこれまでのことをぼんやりと考えながら、 村の広場に設置された大きな吊り台から、 集まってきている村人たちを見つめていた。 (あっ、キュー) 人並みの後ろのほうにいたキューと目があった気がした。 キューはまるで、あとは任せてと言っているようだった。 (うん、そうだね。あとは任せた。先に行って待ってる) ざわざわしていた広場が、急に静かになった。 どうやらそろそろらしい。私は、覚悟を決めた。 吊り台の床が落ち、体がふわりと宙に浮く感覚を感じた。 そして、世界は暗転した。 (-117) 2024/04/21(Sun) 11:51:40 |