【秘】 諦念 セナハラ → 遊惰 ロクそうして部屋に静けさが戻る。 肩で息をする男が、一人残された。 「……嫌いじゃないってねえ、言われても」 「好かれる様に笑ってるんだから、当然でしょうよ……」 吐き捨てる様に呟き、作業を再開する。 遺体をシーツで包み終えれば、毛布でさらに覆った。 火葬もできない今、腐敗臭をなるべく広めないようにするしかない。 出来る事と言えば、これくらいだ。 「結局誰に殺して貰ったんですか、貴方」 骸にひとつ問うた後、男も部屋を後にした。 (-118) 2021/07/10(Sat) 6:33:42 |