【独】 はくぶつがく ルヘナ「ん、、あれ。ここは...」 ゆっくりと目が覚める。 まだぼんやりとする視界で、あたりを見渡す。 村の外の夜の草原で、寝ているようだった。月がよく見える。 私は、そばにいたキューに気がついた。 「ここは...私、吊られたはずじゃ。 それにキュー、それどうしたの」 キューをよく見るとうっすら透けて、 足元は地面から少し浮いていて、ふわふわとしていた。 そうか。私は、すぐに理解した。 「ああ。おわったんだね。 最後までありがとう。おつかれさま。 それにしても、これが魂なのかな。初めて見た」 するとキューは、2人にしか聞こえない声で、 いつものように、明るくおおらかに、私に話しかけてくれた。 そして、ふわふわと浮いていることを楽しんでいるようだった。 うん。私は、キューのこういうところが本当に好きだ。 そう思った。 「そうだね。これからどうしようか。 元の村には戻りたくないし、とりあえず次の村でも探してみる? 状況はよくわかんないけど、まあ、なんとかなるよね。 おいしいものがたくさんある村だといいね。ふふっ。」 なにはともあれ、村から出ることに成功したことを喜びあった。 月がよく見える夜は、静かに更けていった。 おわりです。 (-118) 2024/04/21(Sun) 12:04:49 |