【秘】 『巫覡』 ロベリア → 蒐集家 テンガン目が合えばほっとしたように表情が和らぐ。 気が抜けたような。安心したような柔らかな笑みが浮かんでいる。 何をして欲しいかと聞かれれば、 ここにいて欲しい。 それは残り短いこの無礼講の中で我儘な思いだろう。 …………。服を握る手はゆっくりと離されるが、その指先は緩やかに首筋を辿り慈しむように頬に触れる。 拒まぬならだが。 感じるものがあろうとも、全てを知る訳では無いから気の利いた事など言えないし、君に問いかけるように零したとてまたいつかと同じようになるのかもしれない。 だから。 好きにする事にした。 髪を撫でる手はまた添えるだけに戻り、そのまま抱きつくように身を寄せ。 「 ………落ち着くまで、傍にいて 」耳元で囁く。 ふたりの心が癒されるまで。 そうせずとも君は望むならいてくれるのだろうが。 野ざらしになる君の、雨風凌げる存在になれればいいのに。 求める心が止まらない。触れる度に愛おしさが増していく。 (-119) 2022/03/09(Wed) 15:15:54 |