![]() | 【秘】 後方支援担当 レヴァティ → 憐憫聖贖 ナフ>>-82 「好きと言われても同じものを返すことは出来ませんが、少なくとも不要と判断されていないということですから。ありがたいことですね。 でも本当に確認してくる方多いんですよね。看守の方にも囚人の方にも言われちゃいました」 座るように促されると、その前に「お茶を淹れてきます」と断りを入れて話した通りハーブティーを持ってきた。貴方に差し出してから失礼します、と椅子に座り直す。 「ええ、ええ。沢山学ばせていただきましたよ。 美学、芸術、矜持……感情だけではない効率を優先して役割に徹する俺にとっては到底理解出来ぬものを多く目にしてきました。それらを持つ方々と実際に話をしても尚、分かりません」 ──それは、貴方に対しても例外ではない。 恐怖し、叫び、喘ぎながらも全ての暴力を肯定し受け入れる贄。そういう嗜好であると言ってしまえば話は早いが、それにしても常軌を逸しかけている。 道を踏み外さぬまま、明らかに狂っている。 「W全部W、ですよ」 無機質な視線が血色の瞳を真っ直ぐ捉える。 「効率、倫理道徳、安寧、それらを捨ててまで求めるもの。 人を人たらしめる不定形で曖昧な何か。 そういうものひっくるめた全て、見たくなっちゃいました」 それは果たして学習機能が備わった機械としての行動か。 或いは、未知に引き寄せられてしまった愚か者の行動か。 さて、いったいどちらなのだろう。 (-120) 2022/03/09(Wed) 16:13:30 |