
![]() | 【秘】 天泣 トウカ → 黎明 ロウ治癒も魔力回復も劇毒も、貴方の部屋から拝借した上で残量はほぼゼロ。使わなかったのは麻痺毒くらいか。 ワンオペ、には肩を竦めて薄く笑む。特に己は薬が無ければ役立たずであると自覚しているので、その辺りは大変心苦しいのだけれど貴方任せ。よろしくね。金は払います。 「……あの数日間が、現実では一ヶ月、ねぇ〜……」 貴方も別に自分自身を虐める為に不眠を貫いていた訳では無いだろうし。ゆっくり眠ってくれるんだろうと勝手に思いつつ。掛けられた問いには、頬杖をついたまま「あ〜……」なんて気の抜けた声が浮かんだ。 丁度話をしたかった内容でもあるし、此方からは切り出すにも少々難しい内容。貴方をじっと見、何かを思い出すように視線がふらつき、行き着いた先は窓の外。そうね、と小さな声一つ。 「……貴方も『襲われた側』だものね。 あの箱庭を維持する為の生贄になったひと」 「…………ここだけの話、にしてね」 「皆の為に、あの箱庭から出たいと思ってたのは本当。 厄介な瘴気の所為で貴方にも迷惑掛けたし、……色々とね。 ……でも、それでも…… まだ、あそこに居たかった」 「あそこなら、貴方含め短命の人たちと同じ時間を生きれた。 本当の終わりも来ない。私みたいな化け狐だって許されるの。 …………だから。 だからね、まだ…… 未練がある、のかも」 「戻れる方法を、探したくなるくらいには……、 ……幸せな、 本当に幸せな夢 で、 ッ……」 頬杖を解き、余った袖口で目元を微かに拭った後。 はぁ、と溜息一つを零してから再度貴方に視線を戻した。 「……貴方はどうなの、ロウ? 戻れた今、何を思うの? やっぱり、こっちが幸せ?」 (-120) 2026/07/19(Sun) 16:25:38 |