【秘】 7734 迷彩 リョウ → 1117 闇谷 暁【週刊新世界】[現代異能倫理] (中略) 迷彩母子のケースも類似している。 被告の息子は世界的に見ても希な異能、又は障害だ。 息子(Aとする)は骨と皮膚を持たずに生まれたことが、●●クリニック院長S氏の遺書にて明らかとなっている。 S氏は内臓だけで生まれたAを、死産により命を絶った赤子の中へ入れた。 もしもこの時S氏が何も処置していなければ、Aは間違いなく絶命していただろう。 これを生まれてすぐに死ぬべきであった淘汰と見做すか、医療行為とするか。 どちらにせよ、S氏の処置を否定する倫理は存在していないと同じ医者として私は考える。 (中略) 彼ら親子はこうしてこの世で出会ったわけであるが、彼らの人生は大よそ差別と貧困に満ちていたと推測する。 人工皮膚の移植、人工骨の生成、人工筋肉の移植。それらを成長する度に行えば、当然費用は嵩むだろう。 行政の支援が得られないのならば、自ずと手段は限られてくる。 彼らに人道から外れるなと諭すことは簡単だ。 では、彼らの生存権はどうやって保障されるのだろうか。 社会保障の限界は、もう訪れている。 (-128) 2021/09/25(Sat) 14:35:20 |