【秘】 流転 タマオ → 商人 ミロク 嬉しそうに、困ったように。ほう…と息を漏らした。本当に、おめでとうの言葉だけでよかったのに。 「ありがとうございます。大変喜ばしく思います」 礼を返す頃にはこれまでと変わらない鉄面皮がそこにある。 「冬か。なれば己は初雪の日にあなたを祝おう。 あなたがこの村に在らずとも、祝いの言葉を空に投げよう」 「これは己の自己満足が発露故、 取引と置かれずともであるのだが……」 「いつかに祝うので、あなたの名を教えてほしい。 これは如何様に扱われるでしょう?」 タマオはあなたの通称すら認識していない。 (-136) 2021/07/03(Sat) 13:01:08 |