【独】 Ninna nanna ビアンカ>>-136 「起きたな」 男のうちひとりが、声をかけてくる。 それすらもおっくうに感じながら顔をあげつつも、 ばらばらになった記憶のピースをめくらのままにはめ込んでいく。 伝手をいくつかたどり、次の情報屋のところで向かおうと外出。 その途中、海岸公園の近くでタイヤが路面を擦る音。 咄嗟に振り向くと、無灯火の車が突っ込んできて、 衝撃、 …… そこまで。 多分、私は車ではね飛ばされて、朦朧としている間に拉致されたのだ。 そう現状を仮に理解しながら、なるべく声にベッドの中のような平静さを装って答える。 「はい、起きました。あの、服、自分で脱ぎましょうか…?」 お気に入りのフリルワンピースは、路面に擦れて裾の一部が破れている。 そんなこと気にしている場合では、もちろんない。 両足を僅かに組み替えて、スカートを自分で捲る。 太腿を見せつけるように、なるべく淫猥に、けれど下品で滑稽になりすぎないよう腰を上げて。 (-137) 2022/08/29(Mon) 18:47:03 |