【独】 Ninna nanna ビアンカ>>-136 >>-137 「……ッ」 「いた、…ちょ、…」 左右に控えていた男たちが何にも答えず、肩を掴み押し倒してきた。 金属の音。 ざぐざぐと。 ワンピースが乱暴に切り裂かれ、ガキに与えたクリスマスの梱包みたいにはぎとられていく。 「ゃ、脱ぎます、自分でやりま、すから…っいっ」 肌のあちこちをナイフの刃先が霞めて、喉がきゅうとしまって声が漏れる。 ――そんなことで怯えている場合ではないのに。 「抵抗なんてしません、しませんから」 「殴らないでください」 「立場はわかってます」 「口でも、解いてもらえば手でも」 「もちろん下も、ただ、準備してからのほうがもっと…具合がいいと思うので……」 震える唇をあえて噛み殺さず、ただ声だけはしっかりと届くように懇願する。 レイプされるなら、まだいい。 この場で即座に殺される可能性だってあるし、 なんなら殺してからの方が使いやすいと思っている可能性もある。 抗争下で、ファミリーはいつもよりあちこちに目を光らせている。 時間を稼げば、もしかしたら助かるかもしれない。 ないだろうけどさ。 意地を張って反感を買う必要なんて何もない。 (-138) 2022/08/29(Mon) 18:48:02 |