【独】 Ninna nanna ビアンカ>>-141 「そっちはどうだ。……ああ、おう」 世界共通語ではなく、イタリア語。 僅かに北部の方の訛り、がある気がする。 男は電話先の――多分男――に横柄な口調で指示をしながら、 どこかどうでもよさそうにズボンをずらして、汚らしいナニを眼前に押し付けてきた。 大してやりたくもねえけど、他のやつらの手前やっておくか、みたいな態度。 「………」 それでもにこりと、あからさまに媚びる。 男の腿のうえに投げ出されるような恰好で、顔を寄せて、男性器を舐め上げる。 ちらちらと顔をうかがいながら、含んで、咥えて、犬のように奉仕して。 「ああ、ひとりでいい。連れ出してさらえ」 ――電話口から微かに聞こえる声に、目を見開いた。 微かに聞こえてきたのは、ジュリアの声。眠たげな口調だけど、ちゃんと私の教育通りにお客様を通そうとしてる。 こいつの電話口の先、多分手下がいるのは、 「Pollo Nero」。 私の店だ。 (-142) 2022/08/29(Mon) 18:51:46 |