人狼物語 三日月国

224 【R18G】海辺のフチラータ2【身内】


【秘】 歌い続ける カンターミネ → 摘まれた花 ダニエラ

>>-140 >>-141

「うん、」「おかえり」

何度言ったって別にいいはずだ。この先何度だって言う訳だし。
そうしてしなだれかかる貴女を、当然のように受け止めて。
その背に手を回して、二度、三度軽く叩く。あやす様に。
ウィッグ、結構高いんだけどなあ、なんて考えは
いつもなら口からからかうように出てたけど、今日はナシだ。

「……。」

温めるように、背中を擦る。昇った指を髪に沈めた。
尋問の形跡か、少しべとついたのを構わず、指で梳く。

「ん」

ほんのり上がる口角に、ばさりと揺れ落ちるライムグリーン。
解放された微かな汗のにおいが一瞬漂った。
髪から耳を、耳から頬を。腫れてない頬に指が流れる。

「……二度としない。だから、エリーも俺の傍から離れないでくれ」


囁く。真っ直ぐにミントグリーンを見つめ返す。
殆ど距離のない位置で、呼気を絡ませている。
――王子様の瞳にも、今は波が立つのが見えるはずだ。
その多くは喜びで、幸せで。だが他が0とは、言えなかった。
それでもせめて、この子の前では、他の全ては塗り潰そう。
この先にある大きなものに対して、少しでも……
約束通りに俺が支えて、約束通りに心を守る為に。
(-143) shell_memoria 2023/09/29(Fri) 0:44:54