【独】 Ninna nanna ビアンカ>>-144 「……っ、ぐ、……ぇほ……」 「死にてえのか」 「……」 どうせ殺すつもりじゃん。 「………どうせ、銃隠して店に入ったんでしょ? しかもあんたの手下、はじめましてでしょ…? あのね、一応、あんな場所で営業してんの。 ファミリーの関係者の顔くらい抑えてんの……」 そう、ジュリアは良くやった。 今日のカウンターは誰だっけ? ロメオだっけ? あいつも気が利くようになったなあ。 ただやられるだけじゃ、だめだよ。 教えたでしょ。うまくできたじゃん。 もう、私いなくてもいいよね。 ごめんね。 男が途中から、私の言葉なんて聞かず、車内に転がっていた鉄パイプを掴むのを見て。 ――私が残すひとたちに、喉の奥で謝りながら。 私は今度こそ、死ぬんだなあ、と思った。 (-145) 2022/08/29(Mon) 18:54:28 |