【秘】 『巫覡』 ロベリア → 蒐集家 テンガン君の言葉を待っている。急かす様子もなく、ゆったりと。 それに焦れったい気持ちを抱くはずも無いのだから。 君がこちらの言葉を、行動を待ち続けてくれるように。 耳に寄せた口はその間に少しだけ離されるだろう。 君を、翡翠に灯したかったから。 「………ありがとう」 言葉と共に小さな笑い声が零される。 頬の手は、指先は撫でるように動かされ。 髪に添えた手は背を滑るように落ちて、腰辺りに移動する。 君が分からぬ事は、ボクが口にしよう。 まるでボクの言葉のように。望みのように。 実際、同じ気持ちであるから口にしただけだが。 「…ねえ、テンガン。手を借りても……いい? 」 (-152) 2022/03/09(Wed) 22:12:06 |