【秘】 あないみじ・くっしょん 黄色 → 混沌 ファンドン誘蛾の音いろは奇跡を得、彼女の声は珠となり、きらきらと周囲に降り注いだ。 百鬼夜行を祝う歌姫は、この一夜に吹きすさぶ風に乗って、妖しく羽ばたいた。 この時を、待ち望んでいたのだ。 百継は、9年間心から願っていた、家族との再会を果たしていた。 父は烈火の如く激しく強く、母は怠惰に幸福で、姉は世界の理に触れ誇りと威厳に満ち、眩く輝いていた。 継置も、一葉も。 或いは、喪った愛しい家族との、 或いは、自分を救った娘との、 現の世ではありえない逢瀬が成されていた。 (-155) TSOc 2021/04/26(Mon) 17:34:55 |