【秘】 あないみじ・くっしょん 黄色 → 混沌 ファンドン「とと、さま、かあさま……ねえさま」 百継は涙を流す。 先ほどまでの疲労と、目の前の家族愛しやで、自我は風前の灯だった。 ――百継。 呼ぶ声がする。誰だろう。 優しくて、ほっとする声。心にするりと入り込んでくる声。 ――ああ、思った通り。今のあなたは最高に可愛いわ。 ――よく頑張ったわね。 ――精一杯、あがいて、もがいて、苦しんで。 ――知っていますよ。だって、ずっとそばで、見ていたもの。 たおやかな指で、頭を撫でられる。 百継は、心地よさに身体の力を抜き、泣きながら微笑んだ。 ――よくできました。さあ、いらっしゃい…… [〆] (-157) TSOc 2021/04/26(Mon) 17:38:00 |