【秘】 9949 普川 尚久 → 4432 貴戸 高志「んー……?」 尤もな疑問に、特段気を悪くした気配はなかった。どう言おうかと、考える間をそう思ったかもしれないが。 「…ひどい台風が来る時って、 雨戸を閉じて、家に籠るだろ……?」 「 ──台風が来なくなったの 」心の底から安心したような声、ひどく退屈そうな表情。ちぐはぐな様子でそう言った。 「気乗りしないのが理由で機会を逃してもいいなら、 それでいいんじゃない? その程度の必要度合い?」 「そうじゃないならやってなよ。捨てるものを選べる内にさ」 自身の正義、プライドや感情、その他色んなものすべて。ほしいものがある人間は、何も捨てないでそれを得られない。普川はそう思っている。 (-159) 2021/09/19(Sun) 18:06:16 |