人狼物語 三日月国

224 【R18G】海辺のフチラータ2【身内】


【秘】 リヴィオ → 口に金貨を ルチアーノ



「…そうかい、それは残念だ。
 もう少し、いい夢を見続けていたかったものだが……」

医者嫌いと言われれば、
否定しない代わりに小さく笑みを零す音。
概ね正解だが、"医者"自体は『きらい』じゃない。

何やら聞こえる呟きに耳を傾けながら、
掴んだ君の手を軽くふにふにと摘んでみたり。
しかし、夢の話を問われればその動きを止め、
悩むように少しの間を置いた後。

「………ひとつだけ、聞かせてくれ。
 俺の可愛い後輩達は、無事、外に出られた……かな」

それは、今一番確かめるべき事柄で。
それを聞かねば自分のことを考えられそうにもなかった。
助けを求めたのは、確かな事実なのだけども。
ロクに回らない頭でも、考えずにはいられなかった。

そうして答えがどうあれ、一度頷いてから。

「…何、大したことじゃない。いつもの夢だ。
 ……『要らない』『死んでしまえ』と
 存在を否定されるだけの、くだらない、夢だ」

そんな夢に、もう何十年も囚われ続けている。
だから男は、要らない者、だった。
(-167) 2023/09/29(Fri) 4:42:54