【独】 教会の冒険者 ジェニー[その日は教会の休日だった。 日々のルーチンとしての鍛錬と、食料品の買い出しをする。 店主の戻らぬ「エデン」>>11の店先を軽く覗いて、家に帰る。 質素なエプロンを着て料理し、食事をする。 それだけのことを済ませて、青年はベッドに転がっていた。 ふとシャツを捲って腹を見れば、紋は変わらず残っている。 「魔」の影響を受けて刻まれた紋だ。 教会にばれればどうなるだろうか、 いや教会の冒険者も何人か「魔」に落ちたしワンチャンないか、 そもそも妊娠していたら腹が膨らんで女だとばれるのでは。 いっそ教会から離れるべきか――――……。 そんなことを悶々と考えていると気分が沈んでくる。 そうだ、と気分を晴らすように取り出したのは、 ルーナから貰っておいた毛布だった。>>-112 毛布にくるまってころんと寝台に転がってみる。 寝台からは母の馨がするが、 毛布からは同時にルーナの匂いもして、 不安な心を静めてくれる。 これはとてもいい思いつきだったかもしれない。 年齢に見合わない、幼い笑みを浮かべて、 青年は満足げに毛布に頬をすりよせた] (-194) 2023/01/12(Thu) 2:06:04 |