【秘】 大学生 要 薫 → 大学生 寿 達也[嫌いなわけがないと。 俺なんだと彼が言ってくれる。言葉にされることでより実感する。愛されている事に。こうして見せてくれる愛情がどれ程嬉しいか、きっと彼は気づいていない。彼だけに許した姿を露わにするのは、彼の愛に応えたいからというのもあった。満足気に微笑んで、口にするのは彼への好意。セックスより、恥ずかしいのは恋をしている自分が、彼にメロメロだと自覚してしまうから。 余裕のある年上の恋人で居たいのに。 好きで好きで堪らないのだ。 素直になりきれない、相手を翻弄しようとするばかりの自分を彼は包み込んでくれる。自分にこそ、彼は相応しい。そう思うと同時に、彼に望まれる男で居たいとも思っていた。 いい男だ、自分にはもったいないぐらいの。 恋し、愛しい人。 その人に恋心を告げるのは少しばかりの緊張をはらむ。彼の理想になれているだろうか。と。でもその緊張を拭ってくれるように真摯に彼は好きを重ねてくれる。] …ん、知っとるよ。 知っとる。知っとるけど。 [もっと言ってや。とはにかみを見せ。 少しばかり手を伸ばし彼の頭を撫でただろう。なあ、僕だけの騎士様。お姫様にはお姫様を守る騎士様が必要なんやで。彼がぞっこんだというのなら自分だってぞっこんだ。彼が思うより、恋をしている。嬉しさを乗せた吐息を吐いて、彼の性癖を暴くのを望むのは、恋人の好みを知りたいから。 ――と、後は煽りもある。 分かっているで。ほんで自分も分かっているやろ] (-212) 2023/03/02(Thu) 21:18:47 |