人狼物語 三日月国

224 【R18G】海辺のフチラータ2【身内】


【秘】 リヴィオ → 口に金貨を ルチアーノ



手を掴み、摘むのはその存在を確かめるため。
確かにここにいるのだと、
夢ではないのだと、感じたかったからだ。


「そうか。…うん、なら……良かった」

後輩の話を聞けば安堵の息を吐き出して、
まずはダニエラ、そしてニーノ。アリーチェと。
次から次に後輩の姿を思い浮かべ、そして、
名前のあがらなかった一人も、ほんの一瞬思い浮かべた。
恨むことはないだろう。ただ、思う所があるだけで。


しかし、それに浸るのはもう少し後。
君は先程ゆっくりは寝れないと言っていたから、
話が一段落つけば移動のため身を起こさなくてはならない。

「…いや、"赤子"の頃の記憶ってやつかな。
 俺は案外、記憶力が悪い方ではなくてね。
 まぁ、なんだ。……覚えているから、繰り返し見るんだ」

「あぁ、行方は知らないし訴えようとは思わない。
 街の宝ってやつはそれなりに寛大なんだ」

わざとらしい言い方は逆に男の心を落ち着ける。
髪を乱され、こめかみの近くを押されても苛立つ心はない。
ただ友人とじゃれ合い、笑っているだけだ。

夢の残像は消えないが、それでも、顔色はずっとマシで。
(-223) 2023/09/29(Fri) 21:02:57