【秘】 リヴィオ → 夜明の先へ ニーノ言いたいことはそうじゃない。 それはそうだろうねと口にせずに笑うのは、 恐らく確信犯故のこと。 「…眠っていたが目が覚めてしまってね。 気晴らしの散歩ってやつだ、 ずっと家にいると頭にキノコが生えてしまうよ」 嘘。君は察しているのだろうから、 敢えて今、嘘をついてまた笑う。 隠したい訳じゃないというのはその笑顔が物語っていた。 そうして、警察を辞めたと聞けば知っているよと頷いて。 実は俺も、有給届とともに叩きつけてきたよなんて、 自分の話はさらっと終わらせてしまう。 「俺も丁度、君に会いたいと考えていたところだった。 これって運命ってやつかな?…なんてね」 「そして勿論、散歩はまだ続けるつもりだ。 眠るにはまだ、早すぎる時間だからね」 君の無事は友人から聞いていたんだ。 だから、訃報を聞いたところで動揺ひとつもない。 理由を察することは難しいが、 どこかで元気にしているはずだと、その無事を祈っていた。 (-224) 2023/09/29(Fri) 21:04:05 |