【独】 焦爛 フジノ―――それが何の肉だったのか。 フジノは知らない。 知っても、食べないという選択肢は取らなかっただろう。 フジノという少女は決して栄養が足りている状態ではない。 腹にもうひとり抱えている今なら、尚の事。 だから……フジノは食べなければ、ならなかった。 ミロクはそれも見越して食料を分けてくれたのだろうか? フジノは、わからない。 ミロクが何故そこまでしようとしてくれたのか。 どうして見ず知らずの子供に優しくしてくれたのか。 もう教えてくれる人はいない。 (-224) 2021/07/07(Wed) 20:49:51 |