人狼物語 三日月国

224 【R18G】海辺のフチラータ2【身内】


【秘】 リヴィオ → 口に金貨を ルチアーノ



ヒュッと、自分の喉から聞いたことのない音が出た。
翠眼は緩やかにさまよって、そうしてもう一度、君を見る。

「……止めても、無駄なんだろうね」

出来れば、知りたくない。そして、知られたくもない。
聞かれれば答える男ではあったが、
知らない答えまでは君に渡せないからこそ
そうするしかないのだと、理解はしているが。

声をかける日なんて、あるのだろうか。
知りたいと思える日なんて、来るのだろうか。

お互いにその領域を侵さなければ、まだ。
何も変わらず、今と同じ"平和"で居られるはずだって。
悪夢を見ることの何が平和か。
そうでないことくらい、もうとっくに知っている。

それでも別に、恨んでいる訳じゃない。
だって顔は知らない、声だけの存在だ。
亡霊を恨んだって何も変わることなんてない。

…だからこそ、


この苦しみを向ける場所はどこにもなかった。


(-278) 2023/09/30(Sat) 5:52:44