![]() | 【独】 摘まれた花 ダニエラ>>-403 >>-404 ことり、と。 窺うような表情に、女は首を傾ける。 「…んー。」 「……んー…。」 言葉を受けて、少しして。 えへ…と力なく笑った。 作り笑顔にしては下手くそすぎるそれは、きっと いつもの と少し違う。「ミネはあ。」 「ふふ。あたしを甘やかすのがあ、じょおず」 額をこつんと、あなたに寄せて。 「…あんねえ。…あたし」 「こわいんだあ。」 甘やかな声。 「お母さんみたいに」 「アレッサンドロさん、いなくなるんだあって」 「…でも」 「ずっと、勝手な上司さんだったしい」 「今更だなあって思うのも、あってねえ」 重ねた手が僅かに、ぴくんと震えた。 (-410) 2023/10/01(Sun) 19:17:20 |