【秘】 片連理 “椿” → 一匹狼 “楓” 貴方は。 狼に、「成った」のでしょう? [椿は再びカップに手を伸ばし、すっかり冷めきった茶を啜る。] ヒトの世界から離れようとは、思わなかったのですか。 ヒトの世界に在って、ヒトではないモノとして生きるのは、容易ではありません。 [離れてさえうまくいかなかった椿には、楓の行動は理解し難いものだった。 椿にしてみれば、楓ほどの強靭な精神をもって狼として生きながらヒトの世界で暮らすというのは、あるいは既にヒトの世界を見限っていているのだろうか、そんなことすら思う。 しかしそれでは昨日、仲間に生きていてほしいと言った楓と、今の楓が繋がらない。狼は、その仲間を喰らうものであるはずなのに。]** (-475) 2023/03/04(Sat) 20:13:06 |