人狼物語 三日月国

113 【身内】頽廃のヨルムガンド【R18G】


【見】 吟遊詩人 フェリックス

風がそよぐ墓場の最中、その小高い丘。
昼ですら、ここはあまり人が来ない。
休むにしても、場所が悪いからだ。

昔のことを思い出しながら、弦を爪弾く。

幽かな音色のことを、『あの老人』は『懐かしい』と言った。
このあたりにこんな楽器はないだろうに、と尋ねると、
『美しいが、寂しく、求めても手に入らぬもの』

皴だらけの顔で微笑んでいたように思う。

『そのように言う』、と。

大層その表現が気に入って、『私』はその一節を取り留めておくこととした。多分、あいつも気に入るに違いない。


「はたして、あれはもう孫か」

首を傾げる。

「それとも、息子なのか。」

「いやいや。無粋か。やれやれ………」
(@1) 2021/12/16(Thu) 19:01:21