【見】 わるいおとなの ラサルハグ>>メレフ カウンセラーとして異動してきた大人は屋上にいた。 片手には何かを入れた紙袋を持ち、空いたもう一方の手は 有象無象の子供達の中から声をかけて連れ出した"比較的口の軽い子"の小さな手を握っている。 腫れ物扱いされる自分達大人ではあるが、幼い子供一人言うことを聞かせて連れてくるなど非常に容易い。 忌避していた大人に手を引かれてやってきた子供は忙しなく視線を、空いた手を、歩くのを止めた足を動かして居心地を悪そうにしている。 「ごめんね。急に呼び出して。貴方の力がどうしても必要だったんだ。 ……メレフって子を知っているかな?高等部Bクラスのお兄ちゃん。 その子がね、『宿題』をしなくちゃいけないのだけれど、貴方にも手伝ってもらいたいんだ。×××、貴方は良い子だから。きっとお兄ちゃんお姉ちゃんたちの力になれる。大丈夫。 それにメレフが頑張ればすぐ終わるさ。きっとね 」コートが地につくのも躊躇わず膝をつき、子供と目線を合わせて柔らかく言葉を紡ぐ。 (@1) 2021/05/30(Sun) 13:50:29 |