【見】 吟遊詩人 フェリックス>>27 「おやぁ……?」 声をかけられれば、静かに振り返る。 芝居じみた様子だが、何ならいつものことだ。 微笑みながら、片手をあげた。 「なあに、この程度で。第一、昔は船に魔女を載せて謡わせていたぐらいだ。海を鎮めるのに、な。潮風が喉に悪いなんていうのは迷信さ。 楽器はそうだが」 ぺち、とリュートを小さく叩く。 「こいつは特別性、だ。変わったところに来るなあ。ここは、他にはなんにもないようなところだが……」 (@2) 2021/12/16(Thu) 19:33:32 |