――俺だけの城――

［ 夢見心地な毎日にも一つ問題がある。
二人暮らしというのはプライバシーと時間があまりない。

一人の時は気づかなかったが、自分の時間がなかなか取れない。とても幸せな悩みだ。

でも、一人でその―――堪能する時間も楽しいというか……。

なので、俺は外にも城を構えることにした。
小さなトランクルームの中に桜輔のコレクションを貼りまくって、アクキーも作って、祭壇も作った。

ここは俺だけの桜輔との秘密の場所だ ］

これはこれで贅沢だよな。

［ 自分でも気持ち悪い顔をしてることは気づいてる。
こんな顔は桜輔には見せられない。
軽蔑されるのが怖い ］

もうすぐクリスマスだし、プレゼントもここに隠しておくか。

［ 桜の花が小さくあしらわれてる革のキーケース。
桜輔の名前から桜の花にした。俺もちゃっかり色違いを買っている。

喜んでくれるかとか、クリスマスのいろいろを考えると桜輔の前でも少し挙動不審になってしまう。
いや、クリスマス前じゃなくても基本挙動不審な気がするけど** ］