【見】 眼鏡を返さない ブラキウム>>44 >>45 >>46 スピカ 「わひゃ!?」 頬を掴まれる。 貴方の顔を覗けば、涙なんて嘘ではないか。 「ず、ず、ずるい!酷い! あたしほんとにっ、心配、心配したのに……!」 状況なんて関係ない。暇かどうかも関係ない。 ただ、小娘の心には、貴方に裏切られた記憶だけが刻まれた。 今度はこちらが、心からの涙を見せる番。 ぼと、ぼと、雫が貴方の眼鏡を濡らしていく。 「鬼ごっことかいいもん!なし! なんで酷い嘘つくのお!?」 子供らしく、責任転嫁。 貴方はこれを無視しても良いだろう───所詮子供の、移ろいやすい感情のひとつだ。 (@10) 2022/01/16(Sun) 13:38:17 |