【見】 こわれていく レグルス>>+132 シトゥラ 「だから、参加者だとか、わけのわからないことを、 うるさい、うるさい、うるさいッ! 死んだ人間が、敗北者が、僕を定義するな! 話してやらない、黙れ、一人でいい、 クソ、クソッ、…… ──あっ ? 」箱。あれは何だったか。 レグルスはそれを知らない。 気が付いたら手元にあったものだ。 開けるには明らかに不審だが、 捨てることも出来ず、放って置いたもの。 だから、無論、知る由もない。 それが『スクリプト』からキューに渡された箱であるということも。 「こいつ、やめッ、やめろ──!」 脊髄反射のような行動だった。 自分のものと一旦認識したものが奪われるのに、ひどく抵抗した。 それだけだ。それだけの感情を、捨てていれば別だったかもしれない。 幽霊の彼に、箱を開けることは、果たして出来たかわからない。 だから、本人が手を伸ばさなければ、取り返そうとしなければ…… その箱を開けることも無かったのに。 → (@13) 2021/04/28(Wed) 22:45:08 |