【見】 3-A 矢川 誠壱[ 朝ごはんはたいそう豪華だったらしいが、 普段、寝坊のせいもあって朝食を殆ど摂らない 己にはなかなかどうしてきつかった。 雨宮を先に送り出してのんびり準備し、 申し訳程度に余ったパンを時間ギリギリに 口に放り込んで、牛乳で流し込んだだろう。 冷え切ったパンであってもふわふわ、 もちもちの食感は残っており、 パンひとつとってもこのクオリティなら きっと朝食もさぞうまかったのだろうと ほんの少し後悔したのはきっと気のせいだ。 おにぎり作りをしていれば、中途半端に 腹にいれたせいでなんだか減ってきた。 くうぅ、と鳴る腹に目を落として、 手元に握ったおにぎりを見つめる。 いや、さすがにこれ今食べるのはやばい。 わかってる。わかってるけど腹減ったな、 と見つめていれば、誰かに気づかれただろうか。 さすがに口に入れることはしない。 そこまで我慢できないほどに空腹な わけではないのだけれど…このあとの散策は なかなかにきついなとは思った。] (@15) ななと 2020/11/28(Sat) 0:42:59 |