>>69 ゾズマ
警戒するような貴方を愛おしげに見つめたのも、束の間。
「────おっと?」
食べ物を運んでいた筈のフォークが空を舞い、寿司が宙へ投げ出されて
食事をしていた手が、此方へ向く。
その手は
男の頬を叩いた。
しかして、男の態度は変わらなかった。
「元気の良い子だね。結構、結構。
随分と可愛らしい反応だ、一先ず、私が悪かったとも。
だからそう怒らずに、ほら、
『余らせてゴミにするのは勿体ない』んだろう?」
言葉を違えてくれるな、と視線を送る。
貴方は、この男が純粋に楽しんでいるようにも感じられるだろう。