【赤】 及川 識人[近づいた顔が笑む。 コンビニで見せて貰ったのとは 異なる種類の笑顔だった。 危険な香りがするのに、目が離せない。 今から自分は何を教えられてしまうんだろう。] ン……ッ [ほんのりレモンの香り。 触れてきた唇は薄く、 女の子の柔らかさとは違った。 だけど軽く触れて離れていくときの 擦れる感触に妙にぞくぞくして、 思わず声が漏れてしまった。 本気、の意味を処理できる能力が今はない。 唇を撫ぜる吐息にすら煽られて上がる熱のせい。] (*1) 2024/10/23(Wed) 23:05:46 |