【赤】 兎系 ニア>>531 「ごきげんよう、ニアよ。 ――ここでは『ガルデニア』と名乗るほうがいいかしら」 同じ『陣営』として設定されていた者たちへ、 最後の挨拶を贈る。 「……あのお願い、聞いてくれたのよね」 あまりにも一方的で身勝手な、今際の言葉。 必死だったあの願いを聞き入れてくれたこと。 「キュー、ラム、モス。 それから、フール、スクリプト、リリス。もう一人の誰かさん」 それから、仲間であってくれたこと。 ……『設定』と言ってしまえばそれまでだけれど。 少女は彼らに手を伸ばさずに、彼の手を取ってしまったけれど。 「悪い子のニアに付き合ってくれて、ありがとう」 それでも、ひとりではなかった。 少女はきっとそのことに――彼らに、甘えていた。 「――ニアの人生も、悪くはなかったわ」 (→) (*3) 2021/05/04(Tue) 21:49:20 |