![]() | 【赤】 藤吉音色 もうすっかり馴染んでるって主張するみたいに 部屋に響く音はまだゆるやかで、 それでも恥ずかしいことには変わりない。 この部屋で毎日寝る度に 今してる事思い出しちゃう。 私の素振りを見て何か確かめたい、とか そんなこと思われてるとは知りもしないから 掴まれるまま、抵抗なんてもちろんせずに 枕をしっかりとつかんだ。 この恰好、手が塞がって、しかも上にあげてるから なんにも隠すことが出来ない。 見せつけてるみたいな格好だな、って 意識したらなんだか恥ずかしくて 身体を撫でられただけでびくりと震えた。 「けんと、くん……? なに、いって―――――。」 私の返事なんてお構いなしに責め立てられると 喋ることなんて出来なくて 零れる声も意味をなさないものばかり。 (*7) 2025/01/30(Thu) 22:33:34 |