【赤】 片連理 “椿”[部屋の中はもう青みも抜けて十分に暗かったが、薄暗さに慣れた目には特に不都合もなかった。 トレイをテーブルに置いてカップを並べ、紅茶を注ぐ。それから、さっき見つけた小瓶の中身を小匙にほんの一杯、カップの中に垂らす。 楓の視線を感じたなら、椿はにこりとして小瓶を楓の方へ向ける。] 少し冷えますから、毒でも飲むことにします。 あたたまるのよ、いかが? [物騒な冗談をにこやかに放ちながら掲げた、スキットルほどしかない小さな瓶。そのラベルには、派手な飾り文字で“ラム”と記されている。]** (*15) 2023/03/07(Tue) 17:41:54 |