【赤】 よろず屋 シラサワ>>*16 「そのうち仕入れで本島行った時にでも逢うてみたいな。 その教授はん。知識も仕入のうちやさかい。」 そう言って笑う。笑うのだ。 この後にどんなことが待っていようと、男は笑う。 「まぁ急ぎでもあらへん。一応刻限は決まっとるけどな。 戸隠はんみたいに、内容知らんのやったら、 一緒に行った方が早いのもあるやろし…。」 目線を戻し、海のような青緑眼で戸隠を見る。 もう一人ないし二人が誰であれ、 島民だからとやる事を知っているかは分からないし、 島外民でも内容を知っているかもしれない。 それはまだ、この二人には分からないことだった。 (*17) 2021/07/20(Tue) 19:23:24 |