【赤】 「怪人」 ファントム彼女の声を、どこか遠くに感じる。 熱に浮かされているのは、彼女だけでなく、自分も同じ。 やがて、ひと際強く指を締め付けられて、甲高い声が響く。 けれど、下腹を責める手は止まらず、指は粘着質な音を響かせ続けていた。 ――我に返ったのは、指が彼女の蜜でふやけ始めた頃。 夢中で彼女へと奉仕して、絶頂へと押し上げ続けていた。 「果たして、私が君を自分のものにしたのか。 はたまた、その逆なのか。 怪しくなってしまうね。」 真相がどちらかはわからない、けれど彼女が「自分だけの舞姫」として傍に居てくれるなら、関係のない事だろう。 (*20) 2022/11/29(Tue) 0:11:29 |