【赤】 灯守り 夏至[声の方を向けば自分と同じくらいの年齢であろう少女がそこに。黄色いマリーゴールドの髪飾りをつけた少女。] 『一人ぼっちなら、一緒にあそぼ?』 […他の誰かと遊んだことなんて無かった。名家に生まれた者の勤めとして、そうするべきと教えられてきたから。 でも今はボクに出来ることなんて無いし、側近もまだボクを見つけられていないらしい。時間潰しには良いか。] 良いよ、遊ぼう。キミの名前は? 私は萩。萩ちゃんって皆呼んでるよ。 …そんなちゃん付けなんて恥ずかしくて呼べないよ。ボクの名前葵だ。よろしくな。 [時間にして1時間くらいしてからだろうか、側近が迎えに来て、ボクは萩に別れを告げた。 ……楽しかった。色んなお稽古や勉強なんかよりもっともっと。萩だけじゃなく、この領域に住む皆の顔が明るいのは、きっと夏至様のお陰なんだよね。 そう考えたらボクは…カゴの中に居る小鳥のようだ。 数年後、突如屋敷を抜け出し、基本的には入ることの出来ない夏至様の居る屋敷へと乗り込んだ**] (*38) 2022/01/23(Sun) 14:44:42 |