【赤】 美雲居 月子[ ハンデをあげよう、なんて言いながらも 止まることのない手の上では、 なにひとつうまくできそうになくて。 一旦こと襲い来る波をどうにか凪に 落ち着かせることができれば、 勝率もあがるというのに。 ぶんぶんと首を振ってはみるものの、 手はなんとか、その箱に伸ばして。 そのうちの一つを指で掴む。 震える膝をなんとか立て、 歯で噛んでびり、とやぶった。 口に加えて舌先でスキンの先端を 抑え、そのまま飲み込むように装着する。 るろ、と舐めあげて、なんとか つけ終われば。体を震わせて、 また、彼の方を見た。] (*39) 2020/08/14(Fri) 21:25:26 |