【赤】 美雲居 月子[ 目尻に落ちた唇に、ゆっくりと目を開き、 切なげに眉を寄せて見遣った。 こく、とうなずいて、体を 動かそうとするのだけれど。 それよりも早く、彼の肩が ぐい、と押して背中が布団に沈む。 戸惑うように揺れる視線を向ければ、 足がぐい、と開かれた。 ああ、やっともらえると言わんばかりに ふ、と眉尻を下げ。指先を甘く噛む。 くちゅ、ちゅ、と穂先が 膣口にキスを繰り返すのなら 口元に置いたのと逆の手は シーツを強く握って。 瞳を揺らしたあと、ゆっくりと離し 腕を広げて。] (*55) 2020/08/14(Fri) 23:16:39 |