【赤】 長寿桜の精霊 ユヅル―隠り世・奥の院― 絶頂し、へたりこんでしまいそうな彼女の背に、片手を添えた。 力の入らない彼女の身体を、ゆっくりと降ろしていく。 ――不意に、彼女の胸に指を添えて、つぃと横へ走らせると、彼女の肌に小さく日乃輪神社の家紋が浮かんだ。 「ちゃんと咲夜様を感じさせることが出来たら、咲夜様が達した場所に紋を描き加える。 決して己が達した回数ではないぞ。 承知したなら、触って良し。」 彼女は、自分達に協力してくれている身。 この紋は、きちんと彼女を感じさせることが出来たかの証明だ。 己だけが良ければいいという、独りよがりな行為は意味がない。 (*79) 2022/03/19(Sat) 22:18:00 |