【赤】 長寿桜の精霊 ユヅルおずおずと、周囲の子供たちが手を伸ばし始める。 割れ物を触るように下から掬い上げる者、指先で恐る恐る先端を撫でる者、ただただ肌をなぞる者――… 無数の手が彼女に触れて、けれど皆が彼女を傷つけぬよう、細心の注意を払っている。 そうして、彼女の様子を伺いながら、何人かの子供たちが、彼女の先端をきゅぅと指先で摘まみ上げていく。 上手く彼女を感じさせることができた者は、胸に家紋を書きこんでいく。 ユヅルはしばらくその様子を見ていたが、やがて彼女の脚元へ屈みこんだ。 「咲夜様、脚を開いてくださいませ。」 次の手解きを始める事を、彼女に伝えた。* (*80) 2022/03/19(Sat) 22:18:08 |