| ――回想:処暑からの贈り物 [ 処暑との始まりは 何気ないものだった。 高性能端末であれど 完璧ではない。 見聞きする力には当時から秀でていれど 大きすぎるものは口に入らないし それ以上に最も劣っていた性能は 嗅ぐ力。 だからこそ。 その劣っている筈のものを通じて 本体に感知させたその存在――… …嗚呼、そうだった あれは 葡萄だったかもしれない >>*44 雨水に渡している恵みの正体が 瑞々しさを伴う香りが果たして何であるのかと 目も心も ひとしきり奪われたのが始まりだった ] (*94) 2022/01/22(Sat) 19:02:18 |